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「2度目の二十歳の誕生日おめでとーう!!」
夫が満面の笑みで食卓の中央にデコレーションケーキを置いたので、無性に頭に来た。
もう、マッチ棒みたいなローソクではケーキの表面が隠れてしまうため、ロウで形どられた数字が『40』を告げている。
自分だって後2年で2度目の二十歳のくせに。
嬉しそうにライターで火を点ける年下の夫を、しっかり睨んでおいた。
なんだろう。
30代への移り変わりの時は、ここまで気持ちは滅入らなかった。
それに、世間の対応も変わらなかったし、年齢に対する焦りも薄かった。
『40代』。
ついにこの時が来たという焦燥感。
私はもう、単なるおばさんにひと括りにされて、古新聞としてゴミ置き場に放置されるのだろうか。
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