第1章

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「……おめでとう」 「……おめでとうございます」 「……おめでとう」 「……おめでとうございます」 「……おめでとう」 今日は僕の誕生日。 でも、天涯孤独な僕を祝ってくれる人は誰もいない。 物心がつく前に村長の屋敷の前に置き去りにされていた、捨て子の僕。 村長に養われ、物心ついた頃には下男として働かされていた。 本当の誕生日なんて分からない、今日という日は村長に拾われた日で、1年に1日だけ与えられた休みの日。 だから僕は毎年此処に来る、屋敷の近くにある神社に。 村の人が入れ替わり立ち替わり訪れ、互いに新年の挨拶を交わす。 「明けましておめでとう」 「新年明けましておめでとうございます」 「おめでとう」 「おめでとうございます」 その言葉を聞きたくて僕は毎年此処にいる。
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