27年前の記憶

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「……そういえば弟さんって五つ年下やったかいな?」 「……えっ?」 いきなりどうしたのだろう……そんな僕の戸惑いを察したのか、真奈美さんは申し訳なさそうに笑った。 「……さっき思い出したったい。そういえば直くん、五つ年下の弟がおるって言うとったって」 「言いましたっけ?」 「言うた言うた。中学の時」 「中学の時?」 驚く僕に、真奈美さんは苦笑いで頷いた。 「何でかわからんばってん、覚えとったったいねぇ」 それはつまり意識してではなく、何となく覚えていたということか。 「キモいかいな?」 「え?」 僕は真奈美さんの顔を見直した。 「何でですか?」 「キモい」って何なんだろう。訊き返さずにいられなかった。
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