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「うっ……まぶし……」  強い光を受け、咄嗟に目を瞑るが、瞼の裏にまでくっきりと赤や白の光の残像が点滅する。 「な、なんだ……」  掠れた声を出すと、彼はすぐ傍に人の気配を感じた。 「LADIES AND GENTLEMAN!」  どこかで聞いたような声がマイクを通して響き渡ると、四方八方から歓声が沸く。  痛む目を無理矢理こじ開け、辺りを見回すと、自分が寝かされている台の周辺を、ボクシングのリングのように四方をロープで囲ってある。  その周りには、タキシードやドレスといった正装をした男女が大勢集まり、皆、声の主の方へと顔を向けていた。  男は思わず、ゴクリと喉を鳴らした。  それは、自分が見世物になるという予感というよりは、最早、確定事項に対しての覚悟からというよりも、その場にいる紳士淑女たちのあまりにも異様な出で立ちからくる恐怖によるもの。  彼らは皆、真っ裸な男を見ても、嘲笑することも汚い言葉を吐きつけることもない、服装だけでなく、中身もまた洗練された大人である。  だが一つだけ。  たった一つだけ「普通」ではない部分があったのだ。  それは――――全員が目と口の部分にだけ小さな穴を開けた黒頭巾を、頭から肩までスッポリと被っていたのだから。
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