第一章〈謎の少女達〉

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☆ 金策へ行こうと決意してから翌朝。 隣の宿で寝ていたアオヤやソルトも折角なので叩き起した。 「はぁ…なんで私まで…」 流石に早朝七時。チナツ、アオヤ、ソルトを起こしたが三人とも眠そうだ。夜更しでもしたのだろうか? 私はこの三人の中でも眠りにつくのは一番早い。皆の夜の事情は詳しくは知らない。 闘魂注入でもしてやろうかと一瞬考えたが、なんだか可哀想だなと思ってやめた。 しかし、いつもクール(を気取っている)ソルトが間抜けな欠伸をしているのを目の当たりにしてイラついたので右手を静かに用意した。 「お前のビンタは痛くないから大丈夫だ」 何をやるのかお見通しであったようで、ソルトは自信あり気で挑発的な表情をして私を煽りに来た。 ますますイラつく。 「ぐっ…くそぅ」 と言っても簡単には手出しできないのは事実であった。 ソルトも一応、人並み以上の防御力を持っているから、私のビンタはあまり効かないらしい。 しかし、職的にいえば体力と防御力の面では私がこのメンツの中で一番上なのだ。攻撃力は一番下だけど。 うん、それだけが自慢かも。ちょっと悲しいけど。
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