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チナツははっきりと「行きたくない」と意思表示して手をヒラヒラと振った。
ほとほと呆れた様子の私とアオヤであったが、そのやる気のなさを目前に、ソルトをイラつかせたようで
「お前って奴は本当可愛くないよな。昨日なんて徹夜してロボを四人乗りできるように改造してたくせに。いい出来か自信がなくてそう言ってんだろ?いい加減素直になれよ」
「はぁ…ッ!?」
ソルトから図星を突かれたのか、顔を赤く染めて目を見開くチナツ。
どうやらソルトから出た言葉が気に入らなかったようで、真っ赤な顔のままチナツは何処からとも無く出したスパナでソルトの鳩尾を攻撃した。
「グッフォ!!!!?!?!!!???」
「ちょ、チナツ!?」
「ソルト!」
心配になったアオヤが吐血するソルトに駆け寄る。
チナツは肩を震わせながら、
「ああはいはい、そうよ自信が無くて言い訳じみたことを言っただけよ!なーにが素直になれですって?アンタにだけは言われたくなかったわ、この変態男!可愛くなくて悪かったわね!」
「変態だぁ!?」
売り言葉に買い言葉とはまさにこの事だろう。
フンッ、と鼻を鳴らしチナツはウサギロボのエンジンをかけた。
私はこの状況でどうすれば良いのだろうと考え、あたふたしていた。
「……乗りなさいよ」
「えっ?いいの?」
「行くんでしょ、金策。……特別にしぃだけは乗せてあげる。実際の所、四人も乗せられるか本当は心配なのよ」
「…ありがと、チナツ」
チナツにとって、素直に口にするのはまだまだ恥ずかしい事のようで、私にそう言ってからすぐにそっぽを向いてしまった。
狩場までの道のりはそこそこ遠く、歩いて行くには時間はかかる。
だが、こうして心強い乗り物に頼ればあっという間につくだろう。
………男子二人は可哀想だけど、走って移動という事になりました。
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