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通り道。
じりじりと暑く、湿気の高いオルカ海辺。
白い砂浜に青い海。夏に泳ぐとなったら決まってここに来るだろう。
しかし、今回のオルカ海辺は雰囲気が違った。
しぃ達の目の前に次々と重たい足を運ばせている傷だらけの人達。
中には血だらけの人もいたそうで、日に焼けて元から爛れていた皮膚が大変ひどいことになっているところを伺えた。
「もしかして、狩場に行った人達かな…?」
「ええ、恐らく。…しかし、あそこの狩場の敵はそこまで強かったかしら」
小さく疑問を零すチナツ。
遠い距離で男子達が「待ってくれー」と情けない声を上げているので、仕方なくと言った様子でチナツがロボの動きを止めた。
《ゴゥンッ》
と同時に妙な音が鳴った。
「…ぅおぅっ」
「んん!?」
頓狂な声を上げたチナツに、私は目を丸くさせる。
おっさんみたいな声を上げる親友を見たのは初めてだったので私もおーばーにおどろいてしまった。
当の本人、チナツは眉間にシワを寄せ、何やら険しい表情。
「何か、踏んでるようなそんな違和感が」
「えぇ?まっさかぁ」
チナツとロボは一心同体なのか?という素直な疑問は心の中に留めておいた。この状況でこんな発言したらチナツに殴られそうだ。
しかし、こんな重量なロボに踏み潰されてる人間なんているのだろうか…と私が好奇心任せに下を覗き込むと…
「……」
「…しぃ、何かいるの?」
「……うん、なんかいるよ!?このロボに踏み潰されてるのにうーんとも苦しそうに唸らない華奢な女の子が!!!」
「それは大変ね」
「なんでそんな冷静なのー!?!?!?」
とりあえず、安否が気になるので後を追いかけてきた男子二人に、下敷きされている女の子を引きずり出して貰った。
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