第一章〈謎の少女達〉

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エリアスは、『旅人の休息地』とも呼ばれていて、そこには人が沢山いる。 それに、他の街を代表する『都市』としても有名なので、至る所に旅人や一般人、訓練中の都市警察や有名な魔術師など、人、人、人で溢れ帰っている。 そんなエリアスに、私達、椎名凜ことしぃと、木原碧也ことアオヤはレストランで食事中である。 「あーっ、もー!オークションで欲しい物取れなかったぁー!」 私は箸を高らかに上げ、駄々を捏ねる。 目の前でオムライスを食していたアオヤがはぁ、と嘆息した。 そんなんじゃ幸せが逃げていっちゃうよ。 直接は言わないけど。 「しぃ、行儀悪い…今日は俺がおごってあげるから早く食べちゃいなよな。ソルト待たせてるしさ!」 私を指摘する男の子、アオヤは相も変わらず真面目である。 「全く」と渋々と言った表情でアオヤは自らの財布を取り出し、金額を確認し始める。 一方の私はというと“おごり”という素敵な単語に目を輝かせ、遠慮なくと言った様子で席から立ち上がり右腕をしっかりと挙げた。 「やった!!店員さん!ラーメンとエビフライ二尾!!それとそれとお子様ランチも!旗の色は赤っぽいのがいいなぁ~?なんちゃって!」 「ちょっ!?いくらおごりだからって調子乗るなあああ!!!」 とても都合のいいことに、私は自分の欲求をまっすぐに店員にぶちまける。 その荒ぶってる様をアオヤが許すなんて有り得ない。焦り気味にアオヤが起立して足早に店員さんの元へ駆け付けると、先程言った注文を取り消しできないかと言っているのが私の耳に届いた。 程なくして話を終えたのかアオヤは足取り重くこちらに向かってきた。 「うぅ…俺の金が…」 そのままガクリと力なく項垂れるアオヤ。 ここのレストランのエビフライは美味しいな~、と私はお気楽に呟く。 注文したエビフライをまだかまだかと地につかない足をゆらゆらと揺らし待ちながら、私は何となくアオヤの方へと目を向けると恨めしそうにこちらに視線を送っている事に今気付いた。
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