4人が本棚に入れています
本棚に追加
「なぁ!ソルト!この武器よくないか!?」
「あ、あぁ…そうだな。しかしこのクオリティで3Mか、安い方だな。」
アオヤの調子に合わせて言った男の子、松浦爽ことソルト。
ソルトはアオヤと違って大変クールだ。何事にも動じない、まさに男の中の男。
しかしそれは通常状態で、テンションの高い時はまるで人格が変わったかのように変わる。
特に好物であるチーズの事となると尚更。
それよりも、と私は頭を抱えた。
オークションのせいで大体の金は破産したと分かってはいたものの、貯金がたったの5M(日本円で言う500万円)。
ちなみに、私達くらいの年齢にしてはかなりの金額を持ち合わせている方だと自負している。
それもそのはず、私達は依頼主から【クエスト】を受け、見事達成した時には依頼主から金をふんだくっているのだ。言い方は悪いが、これも生きて行く為には必要な事である。
その為、武器や防具を揃えては敵を倒しまくったり、はたまた配達業までも楽々こなせる。
この歳で若干金銭感覚がズレているのも、そのせいかも知れない。
「はあ…」
「なぁ、しぃ…」
欲しいものが決まったのか、アオヤが私に話しかけた。
名前を呼ばれ、私は重い頭を動かして振り返る。
最初のコメントを投稿しよう!