第一章〈謎の少女達〉

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「あっ、い、いや…おっと、うっかり違うやつ取っちまった」 「…?」 振り向くと同時にお目当てらしい武器を背後に隠し、代わりに近くにあった…どうみても水につけたままタオルでよく拭かずに錆び付いたような汚い二刀を私に見せつけ、 「俺、これがいいんだけど」 と、爽やかな笑みを浮かべて言った。 なんだろう、この胸に矢が刺さったような感覚…と心の中で私は呟いた。 アオヤはきっと、自分の財布を見ている時にふと財布の中身を見てしまったのだろう。 そして残金を把握し、私に気を遣って別の武器を手に持った…ということかな。 「うん、私の財布見たよね?」 「そうだな、5M程だった気が…っていやいやいや!見てない見てない!人の財布の中身なんか見ないって!」 「普通にガン見してたよな?」 その後に、ソルトも入ってきてアオヤの顔色がサー…と変わった。どうやらアオヤ独自の紳士的マナーに反する事だったらしく、今にも地面に手をついて土下座をしようとしていた。 うーん、アオヤのそういう所は良い所であって悪い所な気がするんだよねぇ。甘えるなら、とことん甘えて欲しいな。 私ははぁ、と一息ついてから言った。 「私はアオヤのお金を無断で使ったようなことしちゃったし…本当にごめん!ってことでちゃんと欲しい物見せて?」 「いやぁ、でも女の子に何か買ってもらうってのも格好悪いなって思っちゃったし、やっぱいいよ…ってソルトォ!?」 ソルトが隙を見てアオヤが後ろに隠していた二刀を奪い取り私に預けた。 「ナイス!ソルトありがとう!」と心の中で感謝の言葉を述べながら、私は立派に手入れされた新品の二刀を舐め回すように見た。 「へぇ、なんか高そうだね」 「これでも3Mだとよ」
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