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「……あたしね、俊ちゃんの過去ってずっとトラウマだったの。だからそういうことに俊ちゃんが触れてほしくなかった。それに何よりも、俊ちゃんが自分を責めちゃいそうで、責任を感じそうで嫌だった」
「そっか。……なんかすげぇな、陽菜ちゃんって」
「すげぇ?」
全く予想もしていなかった言葉が海斗くんの口から飛び出してきて、思わず目を見開く。
「ん。なんか、俊哉さんがうらやましい」
そう言って、海斗くんはまた食器を洗い始めた。
何のことを言っているのかわからなかったけれど、海斗くんはその事に関してはそれ以上何も言わなかったから、あたしも敢えて訊かなかった。
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