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「だって、海斗くんが凄く優しいから。
……そういえば、あたしね、海斗くんにずっと言いたかったけど、言えなかったことがあったんだ」
海斗くんのあたたかさに触れたら、あのときのことを思い出した。
「何?」
海斗くんは手を止めてあたしの方へ視線を向ける。
「……あのとき、海斗くんが来なかったら、あたしどうなっていたかわからなかった。本当に感謝してるの」
あのときのことを思い出して、頑張って堪えていた涙がとうとう溢れだしてしまった。
「助けてくれたこともそうだし、頑なに嫌がっていた俊ちゃんへの電話も……。今となってはしてくれて良かったなって思う」
「一つ訊いてもいい?」
「何?」
「何で俊哉さんに電話することを嫌がったの?」
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