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「お~い、倉本~、そろそろ始まるぜ」
気付くと四郎は見覚えのある景色に身を包まれていた。
そこは彼、倉本四郎が1年前立っていた箱根駅伝の予選会場だった。
今声をかけてきたのは同級生の栗山陽介。苦楽を共にしてきた仲間の一人だ。
四郎が目を白黒させていると、陽介はすかさず
「緊張してるのか?お前らしくもないな。俺たち4年生にとってはラストチャンスだけど、練習は目一杯やったんだ。自分の走りに集中しようぜ」
と四郎を鼓舞してきた。
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