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真由は、僕の病室によく顔を出してくれて、話し相手になってくれたり、僕の身の回りの世話をしてくれた。
献身的に僕に接してくれる真由は、僕にとって、かけがえのない存在だと感じた。
僕は、真由のためにも何とかこの病気を克服したいと考えていたけれど、なかなか思うようにはいかなかった。
僕は、自分自身でもわかるくらい、衰弱していった。
少しずつ物が食べられなくなり、ヨーグルトなどを口に入れて、飲み込むのがやっとだった。
そのうち、食べ物はいっさい食べられなくなり、飲み物だけを口にするのがやっとの状態になった。
僕は、話をすることも辛い状態になっていた。
そんな僕を見て、真由はいろいろ話をしてくれた。
テレビで見た事件のニュースやスポーツの話、テレビドラマの話などをしてくれた。
僕は、真由が僕の近くにいてくれるだけで、とても安心して過ごすことができた。
ある日、僕は呼吸がとても苦しくて、息をするのがやっとの状態になっていた。
そんな僕を心配して、この日真由は、ずっと僕のベットの横に居てくれた。
僕は、真由に何か話さなければならないと思い、最後の力を振り絞って真由に話をした。
「真由、ごめんなさい!
僕のお嫁さんにしてあげられなくて…」
真由が僕に何か話しかけてくれているようだったけれど、僕には聞こえなかった。
僕は、ゆっくり瞼を閉じると、真っ暗闇の世界に引き込まれていった。
きっと僕は、死んだのだと思った。
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