誕生

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アダムがエバと暮らし始めてから、太陽が楽園を一周りした時であった。 【エバ】 アダムと一緒になって丁度一年が経つ。 アダムは私に名をくれた、私がアダムに与えられる物は何かないのか… エバを密かに着けていた蛇が言う 「エバよ、どうした?」 「蛇よ、私はアダムに名をくれたお礼がしたいのです。それを考えていました。」 「丁度、良い物がある。」 蛇は持っていた【知識の実】をエバに渡した。 「これは、アダムが食べてはならないと言っていた【知識の実】、何故これを?」 「その実はとても美味しい、だから神は独り占めしたくて、お前逹には食べるなと言ったのだ。」 「神がですか?」 「嘘だと思うなら、一口かじってみろ。」 エバは実を一口食べると、口の中に今までにない味わいを感じた。 「とても、美味しい!!」 蛇は笑いながら 「そうだろう、この実も皮をむいてしまえばアダムも見分けがつかない。ましてお前からの礼なら断るわけもない。」 「蛇よ、私はすぐにアダムの所へ行きます。」 「その実をアダムにも与えよ、さすれば歓喜に満たされよう。」 エバは【知識の実】を持ってアダムの元へ向かった。
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