0人が本棚に入れています
本棚に追加
アダムがエバと暮らし始めてから、太陽が楽園を一周りした時であった。
【エバ】
アダムと一緒になって丁度一年が経つ。
アダムは私に名をくれた、私がアダムに与えられる物は何かないのか…
エバを密かに着けていた蛇が言う
「エバよ、どうした?」
「蛇よ、私はアダムに名をくれたお礼がしたいのです。それを考えていました。」
「丁度、良い物がある。」
蛇は持っていた【知識の実】をエバに渡した。
「これは、アダムが食べてはならないと言っていた【知識の実】、何故これを?」
「その実はとても美味しい、だから神は独り占めしたくて、お前逹には食べるなと言ったのだ。」
「神がですか?」
「嘘だと思うなら、一口かじってみろ。」
エバは実を一口食べると、口の中に今までにない味わいを感じた。
「とても、美味しい!!」
蛇は笑いながら
「そうだろう、この実も皮をむいてしまえばアダムも見分けがつかない。ましてお前からの礼なら断るわけもない。」
「蛇よ、私はすぐにアダムの所へ行きます。」
「その実をアダムにも与えよ、さすれば歓喜に満たされよう。」
エバは【知識の実】を持ってアダムの元へ向かった。
最初のコメントを投稿しよう!