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「桐山は大丈夫なのか」
「大丈夫ですよ…少し疲れが溜まっているだけ…会長濡れタオル持ってきてください」
「はいーはーい名人様」
にっこりと笑う、僕が表現を変えるのはマズナイからびっくりするよね。
ふふふっ僕の大切な大切な愛しい子。
あの時僕を守って……。
まさか、目が覚めたら20代に戻っているなんてね…。
愛しい子は先程僕と出会って記憶が戻ったのだろう。
僕の零、零は僕のモノだ。
零以外にあんなにも興奮をする将棋ない。
零以外にあんなにも綺麗な棋譜を残せない。
零以外にあんなにも僕と同じ者はいない。
零だから満たされる。
「ねぇ、僕の零…僕の元においで」
「んんっ……そ、そぅやさん」
僕はゆっくりと覚醒する。
そうだ、僕は前世の記憶が甦る。
僕は死んだんだ、僕は…宗谷さん…宗谷さん。
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