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「おゆきなさい」  今日も黒子姉さんに背中を押してもらって、胡桃を割る練習に勤しんでいた。  だけどある日から、パパとママがあまり家にいなくなってしまった。  理由を聞いても話してくれないし、真夜中までヒソヒソ話し合っているのをよく耳にした。 「黒子姉さん」 「ナナちゃん、どうしたの?」  あんまりにもパパやママがいない日が多くなって来て、寂しくなった私は黒子姉さんの寝床に潜り込んでみた。  私だってもうお姉さんだから一人でだって眠れるけれど、何度も襲う不安に泣いちゃいそうだったから。
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