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 ゆっくりと目隠しを取ると、目の前には石のテーブルにめいっぱい乗せられた豪華すぎる料理があった。  お肉から野菜から魚から、それに、なまくりーむのケーキまであった。 「わぁーい! すごいや! お肉もお魚も、お野菜もあるよ!」  あんまりにも嬉しくて、思わず大声で聞いてしまった。 「実は最近ずっとこの準備をしててね」 「パパと一緒に集め回ったの」  嬉しそうに笑うパパとママは、私の頭を撫でてくれた。 「このケーキ、何で人間は捨てちゃうのかな? こんなに美味しそうなのに!」  早く食べたいと言わんばかりの双子の兄は、そんな事を呟きつつ、キラキラした目を私に向けてくる。 「黒子から聞いたわ、不安にさせてごめんね」 「ナナちゃんも、嫌になるまで家にいれば良い、巣立ちなんて、いつでも出来るんだからな」 「みんな……みんな……ありがとう!!」  なまくりーむのケーキに最初にくちばしを刺して、パーティーは始まった。
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