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思考し続けなければならない、とは言ったものの、主の思考というのは他人の思考に触れることも含まれているので、此処に僕が存在し誰かがここに現れる限り”シコウ”に終わりは永遠に来ない。つまりは僕も永遠に存在し続ける訳だ。
「永遠とは一体何だろうか。」僕が呟くと幾人かが集まってきた。
「終わりがないということでしょうなぁ。」腹の出た中年の男が答える。
「しかしそれではあまりに安直。」神経質そうな青年が答える。
「それでは始まり続けるというのはどうでしょう。」利発そうな子供が答えると周りの大人たちが次々に頷いた。
「成程その発想は無かった。」「終わりでなく始まりか。なかなか良いじゃないか。」「流石は子どもね。考えが柔軟だわ。」皆思い思いに納得しているようだったが、僕はまるで自分の事を言われているようで少しどきりとした。
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