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ルナは戸惑いながらもグレイに素直に躰を預け開いていく──
ゆっくりと繋がり深まる挿入。腰を前に突き出したグレイの口から、吐いた息と共に熱い声が洩れる。
我慢しきれない動きにグレイ自身の髪が乱れると、果ての呻きをグレイは苦し気な表情で声に出してルナを抱き締めていた──。
◇◇◇
「ルナ、今夜の夜会は零時から朝までだ──…そのつもりで準備をするように」
「はい…」
顔を上げずにルナはパンにバターを塗りながら返事だけを口にした。
グレイはその様子をちらりと新聞から覗きまた紙面に目を落とす。
あれから普段通り、二人の寝室でグレイはルナを毎夜のごと抱いては夜を過ごした。
今夜はまた、夜会に向かう。
グレイはどう接してくるのだろうか──
夜会に出向くということは、もちろんグレイ自身の食事も兼ねての筈だ。
ルナはパンを黙々と口にする。
グレイは紙面を透しルナを見た。
最近、やたら落ち着きを見せるルナの心が少々読みづらくなっている。
あの夜会から戻ってルナを抱いた日から、ルナの心は微かに閉じはじめていた。
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