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ルナはリドリーのその仕草に照れが増し、ゆっくりと下を向いていた。
「べつにあの人のものなんかじゃっ──…」
今だって長いことほったらかしにされているのにどこで何をしているのかもわからない──
見て覚えろだなんて、何をどう覚えればいいかさえもわからないのに…っ
ルナは悔しさと寂しさが入り交じり、唇を噛んで涙を滲ませる。
リドリーはルナの様子を見つめ、頬から手を離した。
グレイを想うルナの心が揺れている──
リドリーはルナの耳元に暗示を掛けるように囁いた。
「何をしてるか見に行くといいよ…」
「え…」
「この二階の奥から二番目の部屋に居る筈だから……そっと覗いてごらん…」
「───…」
リドリーはカーテンを捲りルナの背中を軽く押した。
「君が知らないままでいいならいいけど」
意味深な言い方をするリドリーに戸惑いながらもルナはゆっくりと背を向けた。
考えるより先に足が動いている。
「奥から二番目…」
ルナはリドリーが教えた部屋の前に立つとそっと扉を開けて中を覗いた。
「──…っ!…」
床に横たわる人の足がちらりと見える。
その上に股がり揺れ動く陰。
捲れたドレスから白い尻を露にし、その豊満な肉を男の手が下から添えるように鷲掴んで揺らしている。
その手は紛れもなくグレイの手だ──
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