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ダイアナは自分を買ってほしいというホリーの言葉に驚いた顔でみた。
黒人だったがホリーが可愛くみえた。彼女はホリーを抱えるようにホリーたちの主人に逢いに行った。そして、話をもちだしたのだ。もちろん、幼いホリーとその弟ウィルを買う為の商談だ。
しかし、主人はありえない値段をふっかけて来た。
彼女は悲しそうな顔 で、ホリーに伝えにいった。
「ごめんなさい。ホリー。わたしにはあなた達二人をわたしの家に連れていけるほどのゆとりがないの・・・。ゆるしてね。」
ホリーは必死で
「弟だけでいいです!お願いです。弟だけでもお救いください。」
弟のウィルは信じられない高額で、彼女に買い取られることになった。その日からわけもわからずに、ダイアナの家に住む事になったのだ。ホリーはとてもうれしそうな顔で、弟を抱きしめた。
「あなたはダイアナさんの家にいくのよ。わたしはここでお仕事があるからね。すぐにあなたに逢いにいくからね。」
姉の嬉しそうな顔に安心したのか、ウィルも笑顔でうなずいき、ダイアナの手を握り、別れを惜おしむことなく去っていっ た。
ホリーの前にいつもいた弟が去ってしまった。それまでは、冬の寒さを弟と一緒に重なって、ベッドで眠りしのいできたのに、ひとりになることで体が温まらなかった。肺炎が悪化した。そしてある日、ホリーの姿が忽然こつぜんと消えたのだった・・・。
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