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この後、タイムマシンの自主運用促進実験は、違うタイプの進化途上文明で何度か繰り返される。その結果により汎宇宙連合が取るべきダークマター排出抑制策の基本方針が決定されるだろう。
地球文明のようにタイムマシン開発の強制阻止となるのか、それとも地球タイプのような文明が例外的だったのか…いずれにせよ、無秩序なダークマターの増加は断固阻止されなければならない。宇宙は、これ以上の膨張圧力には耐えられないのだ。
私は帰路につく直前、何気なく、軌道上からこの青い惑星に向けてカメラのシャッターを切った。
そういえば、とうとうフィルムの補充はできなかったな、と、悔やみつつ。
Line B / Epilogue
「時佐田先生! 反応が! WIMPです!」と、XMASS実験機の検出器をモニターしている修士学生の昂奮した声が観測室に響き渡った。
その日、人類は史上初めてダークマターの観測に成功したのだ。
刹那、ノーベル賞が私の脳裏を過ぎったのは、人の性というやつか。
了
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