第一章 光からの訪問者

2/18
前へ
/18ページ
次へ
【第一の魔法】光からの訪問者  梅雨の明けた夏のなんでもない日の夜の空に、大きな丸い光がこの町に舞い降りました。  真夜中の事だったのです。  それに気付いた人は全くいませんでした。  その光の中から人らしき二つの影が見えて、ゆっくりと出てきたのです。その格好は黒いとんがり帽子の黒マント。一人の女性の首のペンダントは水晶のようです。そして、もうひとりの肩には大きなカエルが乗っていました。二人は魔女のようです。  「アナ。ちゃんと間違わずに戻って来れたんでしょうね ?」  一人の魔女の名前はアナといいました。そしてその声に確信を持ってアナは答えたのです。  「間違いないよ。時間・場所間違わずに来れたよ。」  アナは水晶を覗のぞきながらその奥にある情報を確認すると、サレナにそう答えたのでした。  二人の魔女アナとサレナは手を真上に上げあらかじめ決めておいたように魔法を唱えました。  「チェジス!」  すると、みるみる二人は小学生の少女ほどの子どもに変わったのです。  そして、二人の魔女はその時代の2つの家族の記憶を書き変えて入り込みました。その家族はアナたちを本当の子どもだと信じ込んだのです。  それもこれも、あの日の為にアナの決意と共に、この時代に舞い降りてきたのです。小学校にいるあの人に会うためだったのです。  【第一の魔法】おわり
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加