1983秋

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先月、こっちに戻ってきて、休み前に頼んでいた戯曲を引き取りに本屋さんとか、あのアーティストさんのアルバムを引き取りにレコード屋さんとかを回っていたとき。 帰省したときに都内で探すと意外な掘り出し物を見つけられる利点はある。それでも欲しいものがないときは後日取り寄せになってしまう。タイミングによっては地方に送ってもらうことになり、その手はずを整えることを考えると。。なかなか、煩わしい。 「あの、いいかしら?」 誰かに話しかけられた。 立ち読みしてた本から目をあげて 辺りを見回しても私しかいない。 わたしに話しかけたの? 話しかけてきたのは、背がすらりとしてて、髪の長いひと。しゃなりとひらりとしたスカートでヒールを履いて、、綺麗な服装をしている。 わたしは、なんかくたびれたジャージのジャンパーによれよれジーンズにサンダル。 はい? 「あなた、付き合っとるの?」 え? なんのことだか。。 「曽根くんと、付き合ってるっていうのは、あなた?」 いえ。 なに、このひと、初対面なのに、なにをズケズケ聞いてくるの??
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