1983秋

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発端は一昨年の新歓コンパ。 「何軒け、はしごしょうたとき、他の女子大生たちと居合わせて。 こないだのひとは、その中の一人。 なんけ、酒の勢いもあって意気投合し朝まで飲み明かじゃ。 行きつけの居酒屋が同じじゃったこともあって、そのあとも何回か会うこともあった。 いろいろあったから、世間的にゃぁ付き合っとると思われても仕方がなかったかも。」 ・・・ あ、見覚えのある光景のこと?? ・・・ 「あとは、えっと、これ以上、詳しゅうは、話しとうはにゃぁけど。。 へぇから、半年くりゃぁして、ちぃと距離を取り始めて、去年の秋にゃぁ、おしまいにしたんじゃと。」 ・・・ 聞かずにいたほうが良かったのかもしれないけどね。そのひとに話しかけられなければ、聞かずにすんだのに。 世の中、白でも黒でも、どっちでもいいこともあるのに。零と百が全てではない。灰色のままで、ひとつの白と99の黒でも。その微妙なバランスがよかったりするのに。と、思うことがある。 秘密を墓まで持っていくことも可能なのに。。 話してくれて、ありがと。ありがと。 ・・・
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