1983秋

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ん? あれは、そういうことなの? 別に付き合っていた訳ではなくても、その人を好きになっちゃってて、その想いが先走って、付きまとっちゃうのよ。 心は、他のことに意識がいかなくなって固まるのだと思うよ。 「実際、コンサートも入待ち出待ちが当たり前でね、搬入とか撤収とか、機材の返納とか、いろいろ忙しいから、、、ちょっと、みんな困ってるんだけどね。」 「ひとつ、ええじゃろうか? 最近、奴、煙草をやめたんじゃ。 おりょうが、煙を嫌うからじゃ。 その分、酒の量が増えたんじゃけどね。 本気で考えてくれんじゃろうか?」 いつも、無口な隆士さんが言った。 ∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀ 勘違いしたしあわせではなく、彼女がホントのしあわせに出会えると良いのにね。 見方を変えると、私だって同じ立場かもしれない。片想いって、現実世界とは違う。パラレルワールドだと思う。相手の想いと、自分の想いは必ずしも同じではなく、同じ次元にいるわけではなく。叶うか叶わないか。そんなの分からない。叶えられないと分かると、想いが形を変えていく。 なんで執着しちゃうんだろ。それって、コントロールできないものね。。。 それは、相手を遠ざけてしまうし、自分の心を苦しくさせる。 時間だけを傷めた心を癒してくれるようなクスリにするしかないよ。
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