1983秋

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学祭が、始まると、いろいろヘアメイクの依頼があって、ゆっくりしっかりじっくり考えることができなくて。 それも、良いかも。 衣装の洗濯とか、やらなくてもいい仕事もあるから、、今年は、念願のまーさんカレーライスを堪能した。 ファイブスターは、相変わらずカッコいい。 あんなに思い入れていたのに。 なんか、憑き物がとれたみたい。 「ありがと。毎年来てくれて。」 これがないと学祭が始まらないしね。 美味しいし。 「ほれ、また、服が黄色ぅなんで」 黄色い服にすればよかったね。 ひとにわーきゃーされるのに慣れているひとって、好きでもないひとに告白されても、さらりと振ることができるうえに、なにもなかったのように、こうして会話することができるんだ。。。 しかし、カッコいい。 けけけけけって、訳の分からない笑いかたして。 だれきったジャージの上に、クタクタのバスローブを着ている。あーんなに好きだったひとの前なのに。 カレーライスほおばって、食べさしのスプーンを振り回しながら、喋っている自分にも驚いているけど。 「実習してるときの、怖い高科より、今のアホ丸出しの高科のほうが、おもろいなぁ。」 え? 怖い??? あら、そう? これからは、じゃアホ丸出しで、いくわ。 ごちそうさま! ふと、見上げると、 3階の廊下の手すりから、缶コーヒー片手に見おろしてるジローさん。。 ちょっとだけ、、ちっちゃく手を振ってみた。 ジローさん、ふっと笑いながら顔をそむけた。 ∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀:
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