1984秋

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学祭が終わって一段落したら、松山の温泉行こうって。 はじめは渋っていたけど、卒業旅行みたいなものだからと。 そうやって、二人が仲良くて嬉しい。 ジローさんと仲良しだし。 私とも仲良くしてくれて嬉しい。 ∵∴∵∴∵∴∴∴∵∴∵∴∴∵∴∵∴∵∴∵ 「もう、そろそろ秋なんじゃけぇ、そそねしとったら、風邪引くじゃろーが。。。」 結局、四年生の一年間は、ジローさんの隣の部屋に移った。 「鍵も閉めんと、不用心な。。」 あ、また、忘れてた?今 では女子寮と同じだっからなぁ。。 あー、ジローさん? でも、眠い。。 「ぼっけー、好きじゃ。。、」 ジローさんの声が耳許で。 なに? いま? 嬉しい。 でも、 眠い。。 返事もそぞろに。眠い。。 卒論のまとめで徹夜続きだからなぁ。。 「ほれ、風邪引くけぇ。」 抱えてお布団に連れていってくれたのか。 わたしは、タオルケットの中にいた。 ジローさんの香りと温もりがする。 「なんで、こんなペラペラ着んさるか、わからんな。」 ねぇ、じゃ、あっためて。 隣へ転がってみる。 ねぇ、だめ?
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