1984秋

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「そんぎゃぁなことを、いったら、寝られんよ」 って、髪をくしゃくしゃにした。 いつも、、服のことをペラペラって言う。 しばらくすると、ジローさんの寝息がスースー。で、腕がわたしに乗っかる。 ふふ。 あ、でも、動けなくなるじゃん。 すっすっと、腕から抜け出せるかな。。 ∴∴∴∴∵∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ 卒業旅行を兼ねてでかけた温泉地。 暖かい町だから紅葉には早いけど。 古い温泉街はよいわ。 街中を散策してみたり、 坊っちゃん団子をほおばってみたり、、 「おりょう、これと、おんなじの、まーさんに、貰ったんだって?」 うん。 「止めぇや、杏子。ジローが拗ねるて。」 隆士さんと杏子が小さい声でやりあう。 「いいんだよ、このくらい。妬かせちゃえ。」 「策士じゃね。」 月の雫もこぼれてきそうな露天温泉に浸かっていると、杏子が、 「今年やってた【マクベス】ってどんな話なの?」 恐妻家のひとが、嫁に焚き付けられて、周りのひとを倒して王さまになったけど、メンタル弱くて自滅する話。
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