1人が本棚に入れています
本棚に追加
3、卒業。そして中学へ
ついに、小学校生活も最後の六年生へと進級した。
クラスで思い出を作ったり、周りの女の子たちは、好きな男の子に告白して付き合ったり、失恋したり、さまざまな思い出を刻んでいた。
私は、思い出を残すこともなく普通に過ごしなんの感情もなく生きた。
好きな人に告白したこともあったけど、思い出にはならず。
卒業制作の活動が増えてくる、その頃。
私は一人、悩んでいた。
『両親への手紙』だ。
周りは皆、『お父さん、お母さんへ』『両親へ』と、両親に向けて書いていた。
私には父だけ。
父だけに向けて書くなんてイヤだ。心の中でそう思った。それと同時に親が離婚してから2年も経つのに受け入れていない自分を知った。
『両親へ』
私は、そう書いた。
最初のコメントを投稿しよう!