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私は、誕生日なんかいらない
また一つ、歳を取るなんて、考えたくない。
私の目の前には、豪華な料理と、大きな誕生日ケーキが置かれていて、ローソクが14本刺さっている。
白い壁には、カラフルな色紙を繋げた輪っかが何本も飾り付けられ、
床や天井には、様々な形の風船がいくつもフワフワと浮かんでいたりして、この部屋を彩っている。
『14歳の誕生日、おめでとう…Congratulations!』
大きな白い紙に、細かく色紙をちぎって作られた文字が浮かび上がっている。手のかかったものだ。
ただ私には、その英語の綴りがなんと読むのか、わからなかった。
壁には成長の記録のように、私の写真が飾られている。
部屋の明かりが消され、ローソクの火がオレンジ色の小さな世界を作る。
「さあ、ミクちゃん、パーティーを始めよう!」
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