episode215 肉体の呪縛

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それこそ一撃で 僕らを一網打尽にした王様は 「和樹――九条敬が死んだらおまえも一緒に死ぬんだよな?」 これ以上ない 冷たい目で僕を見据え。 「なら今のうちに準備をしておけよ」 「征司お兄様……」 己から突き放すように さめざめと言った。 「――戯れはおしまいだからさ」 僕らに背を向け 冷たい夜に溶けるように 黒い影が消えてゆく。 「……もうあなたが我慢する必要はないよ」 「え?」 残された僕らは 互いに見つめ合い 「だってばれちゃったんだし……この先どう転んでも戦争さ」 「和樹……」 「だから、来て」 とりあえず 今できる最良の道を選んだ。 夜が明ければ世界が一変する。 そんなの別に珍しいことでもないのだし――。
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