Love was missing

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「けんたくーん!おべんとういっしょにたべよ!」 「うん。あのさ、あいちゃん。しょうへいくんもいっしょにたべようって……」 「ダメよ!せっかくのデートなのに!ふたりきりがいいのっ」 けんたくんのてをつかんで、だれもいないほうにつれていこう。 ママたちからもとおいところに。 あいのとうひこうみたい。 「けんたくん、たまごやきすきでしょ?ふたつあるからひとつあげる!」 「ありがとうあいちゃん。じゃあおかえしにぼくのはるまきをあげる!」 やったー!! けんたくんのママがつくるはるまきっておいしいんだよね! けっこんするまえにけんたくんのママにつくりかたおそわらなくっちゃ。 「はるまきおいしーい!!うちのママつくってくれないんだもん。けんたくんはしあわせね」 「そんなにおいしかったなら、もういっこあげるよ。たべていいよ、あいちゃん」 え?いいの? でもけんたくんがたべられなくなっちゃう。 「けんたくんもたべなよ。すっごくおいしかったから!けんたくんがたべなかったら、けんたくんのママがかなしくなっちゃうよ……」 「あいちゃんごめん。ぼく、はるまきがたべられない"たいしつ"っていうか……。ムリっていうか……」 ふーん、けんたくんはるまきがキライなんだ。 わたしがかわりにたべてあげるっていいたいところだけど。 それじゃ、けんたくんのためにならない。 こころをオニにしなきゃ、あいのために。 「けんたくん、すききらいしちゃダメよ!おかあさんのあいじょういっぱいのはるまきなんだから、たべなきゃ。わたしがおうえんしてあげるからたべよう!」 はるまきがたべられない"たいしつ"って……。 それならわざわざおべんとうにいれるわけないし。
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