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「だめ……です。も、これ以上―――」
見下ろす顔に切羽詰った色が浮かぶ。
「いい、から―――来い」
見上げてくる潤んだ瞳は、この先に待ち受けている快楽を知っている。
「でも―――だっ……て、周防さんは、明日、仕事で……」
己を呑み込んでいる部分をきゅ、と締めつけられて。ん、と睦月が言葉を途切らせた。
「いいと……言ってる」
背中を滑り落ちた周防の腕が、睦月の腰を抱く。
引き寄せられて深くなった結合に、二人ともが唇を噛んだ。
「睦月……」
甘く囁いて頭が仰け反る。睦月の目の前に、白い喉が曝された。
「―――っ」
その誘惑に耐え切れず、睦月が喉元に唇を落とす。
やや厚めのぽってりとした唇が、相手の喉仏を愛撫して顎を食んだ。
耳朶を軽く吸い上げて、舌が頚動脈の熱を辿る。
とくとくと脈打つそれをなぞるように、何度も何度もくちづけが繰り返された。
周防の唇が、悦楽の予感に震える。
誘うように脈打つ動脈から、睦月がやっとのこと唇を離す。
少し外れた静脈の上で舌先が彷徨った。
「むつ……」
はやく、と周防が掠れる声で強請る。
その声に押されるように睦月の唇が開いて―――上顎から剥き出したのは、鋭い二本の牙。
それがぷつりと喉に喰い込む。
「―――う、ア―――ッアア―――ア」
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