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やや厚めのぽってりとした唇が、
相手の喉仏を愛撫して顎を食んだ。
耳朶を軽く吸い上げて、
舌が頚動脈の熱を辿る。
とくとくと脈打つそれをなぞるように、
何度も何度もくちづけが繰り返された。
周防の唇が、
悦楽の予感に震える。
誘うように脈打つ動脈から、
睦月がやっとのこと唇を離す。
少し外れた静脈の上で舌先が彷徨った。
「むつ……」
はやく、
と周防が掠れる声で強請る。
その声に押されるように睦月の唇が開いて―――上顎から剥き出したのは、
鋭い二本の牙。
それがぷつりと喉に喰い込む。
「―――う、
ア―――ッアア―――ア」
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