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「そういえば、今年はまだあれが届いてないわね」
「あ、本当だ。20歳になったし、もう去年で最後だったのかも」
「そうなのかしら……」
母はまだ納得していないのか、少し視線を斜め上に上げて考え事をしている。もしかして、送り主に心当たりがあるのかもしれない。そういう私も、なんとなく思い浮かぶ人はいる。
父、だ。
写真もないからどんな人かも分からないけど、名乗らずに毎年プレゼントを贈るなんて、そうそうしないことだから。
知樹にどういうことなのかを聞かれ、そのプレゼントについて説明していると玄関のチャイムが鳴り響いた。こんな時間に誰だと、3人で訝しく思いながらも母が応対に行くのを見届ける。そして、すぐに玄関の方から母の大きな声が聞こえてきたため、慌てて私と知樹も駆けつけた。
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