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「はぁっ、まあ、有紗がいいならいいけど。なに、俺もお邪魔していいの?」
「もちろん! ご馳走作るよ!」
「そこも自分でか。なんだ、この彼氏としての不甲斐なさは」
「なに?」
「いや、いいよ。んじゃ、今夜楽しみにしてるよ」
「はいはーい!」
そんな私の返事に重なるように講義が始まるチャイムが鳴った。知樹はくしゃくしゃと自分の柔らかそうな黒髪を掻き、溜息を吐きながら机に突っ伏したのを見て、つい笑いそうになるのを堪えた。
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