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「い、いやいや。余計わかんない。結局どういうことなのよ?」
ただでさえわからないことを更にややこしくして説明してくるイデアに、若干イラつきそうになりながらあたしがしつこく問うも、
「全てがわからない段階で説明をするのも、無意味だわ」
と小さく首を振りながら、澄ました台詞を返してくるだけで、一向に事件については話をしてくれようとはしない。
「あんな協力させといて、それはあんまりだよ……。せめてもう少しないの? 話せそうなこと。実は奈子の命も危ないとかさ」
「おいこら」
椅子に腰かけあたしたちのやり取りを眺めていた奈子が、聞き捨てならんぞと言いたげに睨んでくる。
「そうね。奈子の命はどうかわからないけれど、このペンションにいる犯人は、それなりに計画を立てた上で今回の犯行を実行しているわ。口論などによって衝動的にとか、行き当たりばったりに殺人を犯す愉快犯でないことは明確ね」
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