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「は? 何、のぞみんって? いきなり変な呼び方し始めないでよ」
言われたこともないニックネームをつけられ顔をしかめるあたしを、奈子はにししと笑いながら見つめ、それからバスの前に立っていた男性へペコリと頭を下げて話しかけた。
「こんにちはぁ。あのぉ、わたしたち今日から二泊三日でお世話になる予定の者なんですけどぉ……こちらがテオブロマ行きの送迎バスで合ってますか?」
よそ行きの態度丸出しだなと、奈子の背を見て呆れつつあたしも男性へ軽く頭を下げる。
「ええ、そうですよ。えっと、すみませんがお名前を確認させていただいてもよろしいでしょうか?」
見た目は割とチャラそうなのに、喋り方がすごい丁寧で驚く。
「あ、わたしは釜石 奈子です。こっちが友達の望月 希。招待券持ってます」
簡単に自分とあたしのことを紹介し、奈子はバッグから例の招待券を取り出し男性へ差し出した。
「……あ、はい。釜石さんと、望月さんですね。確かに予約が入っています。ようこそ本日は遠い所からよくお越しくださいました。僕はテオブロマでスタッフをしています沢岸 稔です。
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