8.三日目①

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>>―――――― 「生徒達に動揺は見られないんでしょうか」 「まだ、時間が早いので登校している生徒は少ないですし、事件のことを知らない生徒も多いようです」 「他殺の線も考えられるということは、ゆつきさんの交友関係も捜査対象に入っているということでしょうか」 「まだ、そういう発表はありませんが、学校関係者の事情聴取も始まっているようです」 「そうですか、また新しい動きがありましたら……」 ――――――<< 「……彗ちゃんはどう思う?」 「これが、あの子かってこと?」 「うん」  顔はあの画像とでは比べるのがちょっと難しいけれど、似ている気はするし、髪の長さも同じくらいだ。特徴的なほくろもある。でも一点、どうしてもあの子が如月ゆつきだとは言えない理由がある。 「昨日の夜、この制服が埼玉にある英奏女子っていう高校の制服だってスカリムで教えて貰ったんだ」  ニュースには学校名は出ていないけれど、おそらくあの高校で間違いないだろう。 「じゃあやっぱり」 「ううん、でも違うはずなんだ」 「どうして?」  紗名は不思議な顔をして僕を見た。
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