8.三日目①

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「さっきのニュースで、この如月ゆつきという子が死んだのは今日の真夜中だって言っていたよね。でもあの画像が撮られたのは、それより少なくとも10時間以上は前だからね。新田に届いたリプの画像も同じだとしたら1日前になるし」 「そっか……確かにそうだよね。でも学校も同じだし、似ている気がするのにな」  まだ納得がいかない様子の紗名は、すでに違うニュースに変わったテレビ画面をまだ見つめていた。あの画像の子が如月ゆつきではないとすると、まだこれから違う誰かがニュースになるということで。次々と高校生が変死する事件が起きるなんてまるで悪夢だ。 「紗名、今朝なんだけど……昨日僕のところに画像を送ってきたリミッターからまたメディアリプが届いたんだ」 「え、また彗ちゃんのところに?」  びっくりした様子で紗名は僕の顔を見る。 「今度はGIF動画が添付されていて、このテレビの写真の如月ゆつきとも違うし、あの画像の子とも違う女の子が映っていた」 「違う子なんだ。じゃああの画像の子はどこにいるんだろう。そのGIF動画って保存してあるの?」 「ううん、GIF動画は保存できないからしていないよ」 「あ、そっか。GIF動画って保存できないんだ」 「うん。リミッター名は赤に木へんのついた容積の容って漢字だったんだけれど、なんて読むのかな」  漢字を頭の中で想像しているのか紗名は斜め上を見る。 「あかよう? せきよう? なんだろう。ねえ、彗ちゃん。GIF動画に映っていた子はどうなったの?」  紗名は、不安気な表情を浮かべながら訊く。 「……残念だけれど、彼女ももう生きてないかもしれない」 「そんな」  みるみるうちに紗名の眉がハの字に下がる。
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