8.三日目①

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「でも今度はできることはしたいんだ。彼女たちの手がかりはこのリミッターにしかなさそうだから、学校が終わってからもう少し調べてみようと思っているよ」 「わかった、私も一緒に手伝うね。リプは消えてしまっているの?」 「まだ、確認していないんだ。かなりひどいGIF動画だったからもう一度見るのが怖くて。でも今確認してみる」  そう言ってから、スマートフォンのスカリムを開く。 「……やっぱりない」  綺麗に消えてしまっているリプに、もしかしてあれは夢だったんだろうかとも思えてくる。でも、確かに僕は見た。間違いない。 「わざと消しているのかな」 「それしか考えられないよ。でもどうやって見たことを確認しているんだろう」 「彗ちゃんだけ二回も送られてきているの?」 「どうだろう。もしかしたら新田とかにも届いているのかもしれないけれどね。でも、なんで僕なんだろう。どういう基準で送っているのかな。わかんないな」  ため息を吐いた僕の肩に紗名がことんと頭を乗せた。 「彗ちゃん、ありがとう」 「なにが?」 「知らないふりするって言っていたのに、ちゃんと調べたりしてくれていたから」 「なにもできていないよ。でもさ、誰かが死ぬかもしれないのに、放ってはおいたらずっと後悔する気がして。でも、父さんには言わないでよ」 「わかってる。おじさんに言ったら大変なことになっちゃうもん……あ! ねえ彗ちゃん時間!」  紗名に言われ、スマートフォンの時計を見ると、いつも家を出る時間をかなり過ぎていた。 「うわ、やばい。もうこんな時間? 電車に間に合うかな。とにかく急ごう」
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