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苦手な古典の授業がやっと終わり猛烈な眠気を我慢していた僕は、ばたりと机の上に倒れた。
「カジくん、今日遅刻したでしょ」
頭の上から色香漂う声が降ってくる。
頬を机につけたまま声のするほうに顔を向けると、魅力的な白い脚が見えた。―――ああ、この脚は清瀬さんの脚だ 。
頭を起こすと、清瀬さんは隣の机に僕のほうを向いて座っていた。彼女は机に座るのが好きなのかもしれない。
見ていいよと言わんばかりにスカートから出されている脚だけれど、堂々と見るのはなかなか難しい。僕は両手で頬杖をつき、横目でちらちらと盗み見ることにした。
「ぎりぎり間に合ったよ。紗名も間に合っていると良いんだけれど」
「紗名から、カジくんが遅刻しなかったか訊かれたの。紗名のクラスは自習だったから大丈夫だったみたい。まだ学食に行かないの?」
「それなら良かった。眠くてさ……食べるよりも寝たい」
「昨日寝たの遅かったの?」
「寝たのも遅かったんだけどさ。朝早く目が覚めたから」
「そうなんだ。ごめんね、起こして。紗名には遅刻していないって伝えておくね」
「うん、ありがとう」
清瀬さんが机から下りると、僕はもう一度冷たい机に頬をつけて目を閉じる。そういえば今日はあれからまだ一度もスカリムのチェックをしていないな。そう考えながらも、あっという間に眠りの世界に吸い込まれていった。
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