フォロワー～The sky is the limit～(JUNON学園ホラー小説大賞受賞作)

9.三日目②

　The sky is the limitってスカリムのことだったはずだけれど、 なぜここに書く必要があるんだろう。

　ただのテスト投稿みたいなものだとか。

　でも、赤榕は色んなリミッターに送ったメディアクラウドを全て消しているみたいなのに、なぜこれだけ残しているんだろう。

　SSランクのリミッターは新田のように見る気がなくても目に飛び込んで来るっていうのに、僕は今まで一度もこの赤榕というリミッターの名前を聞いたことがなかった。クラウドも発信しないで、どうやってフォロワーを増やしているんだろう。

　赤榕のフォロワーを見てみると、そのフォロワーはBからSSランクまでばらばらだった。

　スカリムではフォロワーを見る際、フォローされた順とリミッターランク順に表示を切り替えることができる。リミッターランク順に切り替えると、良く見るSSランクリミッターがずらりと並ぶ。その中にはよほど気に入ったリミッター以外は滅多にフォローをしないというこだわりを持つリミッターたちも含まれている。

　彼らが赤榕を自発的にフォローするとは思えない。新田やありたまゆりの名前もあった。

　一番驚いたのは、僕自身がフォローしていたことだ。赤榕をフォローした記憶などないのに。

　僕は手当たり次第に無差別フォローをしたりはしない。自分からフォローをする相手はせめて挨拶を交わしてからと決めている。その場合には、プロフィールを必ず確認するし、興味のないリミッターにはまずフォローはしない。

　相手からフォローされた場合は、あまり知らなくてもフォローをすることがないわけではないけれど。

　例え無言フォローされたとしても、SSランクのリミッターなら必ず礼は言うはずだ。

　一体いつ赤榕をフォローしたんだろう……僕が忘れているだけなんだろうか。

　でも赤榕にこんなにフォロワーがいるのは、どう考えても不自然だ。