10.三日目③

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 はなさんは僕が一人で夕食を食べているのを気にしていて、会うたびにウチでご飯食べて行きなさいと言う。でも、最近は僕があまり顔を出さないから、紗名に一緒に食べてくるようにと言っているのだろう。 「泣かないけどさ、紗名がいてくれたほうが嬉しいよ。はなさんがいいって言うなら、食べながら調べようか」 「うん、でも彗ちゃんのおごりね」 「……だと思ったよ」  ハンバーガーショップに入ると紗名はすっかり機嫌を直した様子だ。 「んー今日は何にしようかなあ、いっぱい食べたくなっちゃう。これも食べたいし……うーん」  レジの列に並んでいるのは四組ほど。店員から渡されたメニューを見ながら、紗名はずっと迷っている。 「そんなに迷うならハンバーガー三つくらい食べたら? 紗名が太ったとしても嫌いとか言わないからさ」 「ひどい、そんなに太ってないもん」 「太ったとしてもって言ったでしょ。太っているとは言ってないよ」  彼女の膨らんでいた頬がだんだん小さくなっていく。 「本当?」 「うん、本当。だからハンバーガー三つくらい食べても平気だよ」 「三つも食べないもん。ハンバーガーのセットと、チキンナゲットとシェークとデザートと……」  なんだかんだ言って、ハンバーガー三つ分くらい食べる気満々らしい。  でも、機嫌直してくれて良かった。  
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