2.二日目①

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 店員がいなくなると、お洒落な名前のドリンクの写真を見ていた僕に、紗名がテーブルから乗りだして小声で話しかけてくる。 「ねえ、彗ちゃん。さっきの店員さん、まゆりちゃんみたいに可愛かったね」 「そうだった? ごめん、あんまり見ていなかった」  振り返ってその店員を見ると、確かにありたまゆりに似てはいる。でも高校生には見えないし、もっと大人びた顔をしているような気がした。  紗名はスカリムを開いて何かを探している。 「何見ているの?」 「まゆりちゃんのクラウド探しているの。あ、あった」 ―――――――――― ありたまゆり@MAYURIN_SSL まゆりん新しぃ部屋着買っちゃった 見て見て可愛ぃでしょ まゆりヒツジ か.。.:*ゎ・゜☆(○・艸)(艸・●)☆.。ぃ.:*・ぃ 最近よく眠れないからこれでぐっすりかも 画像を開く ――――――――――  開いた画像には、ぴょこんと羊の耳がついたフード付ワンピースを着たありたまゆりの後ろ姿が映っていた。  ピンク色のもこもことした素材で作られた部屋着を着た彼女は、まるでぬいぐるみみたいだ。 「クラウドには顔は映ってないから、プロフィール画像見ないと」 「あ、そっか」  紗名がプロフィール画面を開くと、ありたまゆりが友達に描いて貰ったという絵が表示される。     
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