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「ねえ、彗ちゃん。これ見て」
いつの間にか紗名は手にしたスマートフォンの画面を僕へと向けていた。
「なんで教祖？」
彼女が開いていたのはスカリムの SSリミッター・新田遼のプロフィールページ。別名、教祖と呼ばれているリミッターだ。
新田は SSリミッターだけど、あまり好きなリミッターではない。寧ろ嫌いだと言うべきか。
高校生目線の大人に対するリアルなバッシングが新田のウリで、カリスマ性をも感じさせる自信に満ちた発言には多くの高校生が共感を示す。
新田が教祖と呼ばれているのは、彼を嫌うリミッターたちが彼とそのフォロワーたちがまるで新興宗教の教祖と信者たちのようだと陰口を叩いたからだ。
でも、新田は逆にそれを面白がって熱心なフォロワーたちのことを信者と呼ぶようになった。
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