3.二日目②

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「新田のクラウドじゃなくて、リクラウドしたものを探しているってこと? 確かに新田のところには情報が集まりそうだけど、あいつにはあまりかかわらない方がいいよ」  僕は新田のフォローはしていない。それでも、自分のフォローしているリミッターが新田のクラウドをリクラウドするのが頻繁に目に入るから、否が応でも新田のクラウドを毎日目にすることになる。 「うん、わかってる。気をつけるから大丈夫だよ。探していたのはね、新田遼宛てのメディアリプなの」 「新田宛ての?」  なんで清瀬さんも新田になんて興味を持ったんだろう。近寄らないほうが身の為なのに。 「新田遼に誰かが気味の悪い画像を添付したメディアリプを送りつけたんだって。それですっごく新田遼が怒っているみたい」 「新田がキレているのなんていつもでしょ。それで、まだ清瀬さんの為にそのリプを探しているの?」 「ううん、違うの。もしかしたら新田遼の言っている画像は、さっき彗ちゃんが送りつけられたのと一緒なのかもって思ったの」 「あの女子高生の?」  紗名は頷くと神妙な顔をしながら残っていたチョコレートドリンクを飲み干して、唇の端についたそれをぺろりと舐める。 「そう。美月ちゃんがね、新田遼がクラウドで犯人捜しを呼び掛けているんだって言っていたから、もしかしたら何か画像についての情報があったりするかなって」
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