3.二日目②

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 ぷうと頬が膨らんできた紗名に「ごめんごめん」と謝りながら、新田に喧嘩を売ろうとした命知らずなリミッターのことを考える。  気味の悪い画像を送りつけ、リプを消すリミッター。何が目的なんだろう。単なる嫌がらせなのか、それとも他に理由があるのか。 「画像を消したのは、やっぱり新田に報復されるのを怖れてなのかな」 「きっとそうだよ。彗ちゃんでもそうするでしょ。教祖様と信者達に何されるかわからないもの」 「その前にしないよ、そんな馬鹿なこと。でもさ、送ったリプを新田が見るのがいつになるかなんてわからないし、スカリムは既読かどうか判断する機能もついていないのに、どうやってその送信リミッターは新田がリプの画像を見たと知ることができたんだろう」 「実は送ったのは新田遼の近くにいる友達で、画像を開くのを確認していたとか」 「それはないよ、だって深夜だよ」 「あ、そっか。じゃあやっぱり送ったものの報復が怖くなってすぐに消したんじゃないかな。新田遼は通知が来て見たんだし、消す前に見ちゃったってことはありえるでしょ」 「そうだね……でもなあ、そんな都合良くいくかなあ」  復讐されるのが怖いなら、そんな方法で嫌がらせなんてするだろうか。  だいたい送信リミッターのフォロワーであればリプはタイムラインに表示されるわけだし、誰も見ていないなんて奇跡としか思えない。確かに時間も時間だし、みんなが見ないような時間を選んで送ったとも考えられるけれど、なんか腑に落ちない。
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